History
特別講座1 スノーモトの歴史
スノーモトの歴史をまとめてみました
2005
2006
2007
2008
28STデビュー
スノーモトがデビューした記念すべきシーズンです。「28ST」というモデルが販売されました。現在スノーモトは、日本のSAIという会社のTHE METAL WORXというブランドから販売されていますが、最初に開発、販売を行ったのはアメリカのCRIGHTONという会社です。
SAIの公式サイトでは、2004年にアメリカではじめてスノーモトが登場したと書いてありますね。
CRIGHTONが元々どういう会社だったかは分かりませんが、2007/10現在でもアクセス出来るウェブサイトを見ると、扱っている(いた)のはスノーモトだけのようです。productのページには28STしかありません。(2006シーズンには、28STCOMP、24STも製造していたはずですが詳細は不明…。)2004-2005シーズンは、スノーモトの存在すら知りませんでしたので、この頃のモデルのことはよくわかりません。
linksのページを見ると、SAIが「Main Distributor(主な卸売業者)」と紹介されていますので、販売当初から日本の市場に力を入れていたことが分かります。他は北アメリカ・南アメリカ(括りがかなり大ざっぱ)、オーストラリア、ドイツ・オーストリア、スカンジナビア(たぶん北欧と呼ばれる地域)で販売されていたようですね。(今でもたまにフランスからこのサイトにアクセスがありますよ。)
CRIGHTONのサイトのPhoto & Videoコーナーは今見てもスゴイです、一度ご覧あれ。
しかしアメリカ人といういのは本当に遊びの天才ですね。
手持ちの英語で書いてあるカタログを見る限り右上の写真が2004-2005シーズンのモノだと思われます。ボードはGRC(ガラス繊維強化複合材)のみでウッドコアボードはなかったようです。発売されたモデルもおそらく28STだけですね。
次期モデル開発とショップカスタム
この時すでに次期モデル('07モデルのA28?)の開発が始まっていました(画像のリンク先が消失)。さらに「SFS」(左の画像)という物が'06モデルとしてリリースされる予定だったようです(実際には発売はされませんでした)。
この時からSAIはすでにスノーモトの開発に加わっていていたのかな?。
また、このシーズンには早くもカスタムモトが登場しています(右写真)。制作者は東京都足立区にあるカスタムテクニカの大田原さんという方です。
CRF50というバイクのパーツを使用して、既製品にはない乗り心地とデザインを実現しています。すごいです。販売形態は、完成品を売るのではなく、お客さんと相談しながらオーダーメイドのような形になるそうです。
この写真をみると、なんと子供用のステップが付いています。子供と一緒にのれるなんて夢が広がりますね(笑)。もちろんステップはパーツなので取り外しは可能です。というかオプションですね。カスタムテクニカのウェブサイトにスノーモトのページがありますので、是非のぞいてみてください。
ライディング画像
FlickrにSAIに提供して頂いた'04-'05シーズンのライディング画像をアップしています。試作機なのか今では見ないフレームカラーがありますね。海外では403mediaというサイトでもライディング画像を見ることが出来ます。SAIの活動
このシーズンから、SAIはスノーモトのPR活動を精力的に行っていで、各地のスキー場で試乗会も開催していたみたいですよ。(参考リンク)インターネットでのスノーモト事情
このシーズンからlivedoor blogでSAIのスタッフによるブログが更新されていましたが、bghに統合され、2005年7月28日にmixiで「ゲレンデでまたがろう」というコミュニティが立ち上がりました。
このコミュはスノーバイク全般を対象としていますが、ほぼスノーモトコミュと化しています(笑)。ここが日本発のスノーモトコミュニティではないでしょうか。ちなみに管理人はリス丸(ケロハチ?)さんという方です。シーズンオフは少し静かなコミュニティですね(笑)。
2ちゃんねるに「【雪上自転車】スノースクー・スノーモト」というスレッドがありますが、スノーモト関連のスレッドがはじめて立ったのはこのシーズンかもしれません。常に動きがあるのはこっちですね。
ショップオリジナルパーツ
このシーズンは、SAI以外からスノーモト用のパーツが販売されました。まこつの記憶では純正以外のスノーモト用のパーツはノースポイントだけが販売していたように記憶しています。(ウチでも販売していたよ!というショップがありましたらご連絡下さい。)【シートブームオパーションキット】
左の写真は「シートブームオパーションキット」というパーツです。(左写真)これは何かというと、スノーモトのシートを折り畳んでリフトの乗車を容易にするためのキットです。
スノーモトが販売された当初、フード付きリフトに乗った時にシート部分が引っ掛かりフードが閉まらないというトラブルや、この年代までのスノーモトは、シート部分をリフトの座面に引っかけて乗車していましたが、その際ライダーがスノーモトをリフトから落としてしまうといったことがスキー場で大きな問題になったようです。
その後、シートのついたスノーモトのリフト乗車を禁止するスキー場が一部出始めた為、危機感を感じたノースポイントが固定されたスノーモトのシートを折り畳めるキットを制作・販売した結果、スキー場側がスノーモトに対して理解を示してくれ大事に至らなかったという経緯があったそうです。ノースポイントに問い合わせた際、オリジナル商品の中で一番想い出深い商品と言うお話を伺いました。
'07モデルのスノーモトからシートブームが折り畳めるようになりましたが、こういう経緯があったんですね。(元々シートブームは折り畳める構造にはなっていました。)
初のウッドコアモデルが登場
スノーモトのウッドコアボードが登場したシーズンです。"まこつ"がスノーモトに乗り始めたのはこのシーズンからですね。このシーズンに発売されたのはGRCボードの「24ST」「28ST」とウッドコアボードの「28STCOMP」、ウッドコアボードには2種類のデザインがあったようですね。おそらくラインの入ったものが初期のものではないかな?(もしくは試作ボード?)
フレームカラーは、通常のモデルではホワイトだけでしたが、「bghスペシャルエディション」と「ノースポイントの別注カラー」がありました(これらについては少し後で説明)。
24ST
28ST・28STCOMP
下の写真、一番左が28ST。他は28STCOMP。まこつは2005年末と2006年初めにそれぞれ1台ずつ28STを購入したましたが微妙に構成が違っていました。2005年末に買ったものは上の写真と同じでしたが、2006年初めに買った28STは、いわゆるCRIGHTONステムでグリップも鍔?が無いものでした。
年明けに買った時は、ショップの店長さんに"COMPと板以外は同じ構成になった"とお聞きしました。発売当初、28STと28STCOMPの違いはボードだけでなくステムやグリップも違いました(STの方が安っぽかった)。28STは2006年1月以降(多分)に出荷された分から28STCOMPと同じステム、グリップになりました。
別注モデル
このシーズンは別注モデルも幾つか登場しました。ノースポイントの別注モデルはこのシーズンから始まったようです。まずは、フリースタイル・モトクロスチーム「MX VIRUS」の別注モデル。
次はノースポイントの別注モデル。オリジナルモデルと言った方がいいかな?
特注のカラーリングやパーツがグレードアップした「bghスペシャルエディション」(右写真)。写真じゃ色がよく分かりませんね…。前述でウッドコアボードが2種類あるといいましたが、ラインが入ったボードは、このスペシャルエディション用のボードだったのかな?よく分かりません(笑)。(参考リンク)
プロモーションムービー
このシーズンに公開されたスノーモトの How to とプロモーションムービーはHappyDayzの制作です。当時はゲレンデに行く前に何度も何度も付属のDVDを見返してイメージトレーニングに励んでいましたね(笑)。オフィシャルイベント
栂池高原スキー場で2daysの「スノーモトオーナーズミーティング」が始まったのもこのシーズンからです。主催はもちろんSAI。スノーモトオーナーズミーティングというのは、スノーモトのオーナーや、スノーモトに興味のある人たちが集まって、SAIのライダーから直接レッスンしてもらったり、簡単なレースイベントがあったり、夜はSAIのスタッフと一緒に座談会(飲み会)があったりと、盛りだくさんな内容のすごく楽しいイベントです。この時の様子を書いたor書かれた記事をインターネットで探したんですけど見当たりませんでした。(イベントの告知ページ|SAI撮影のミーティングの様子)ライディング画像
FlickrにSAIに提供して頂いた'06-'07シーズンのライディング画像をアップしています。インターネットでのスノーモト事情
2006年2月9日にmixiで2つ目となる「スノーモト愛好会・西日本」というコミュニティが立ち上がりました。このコミュは純粋にスノーモトコミュニティです。管理人はこちらもリス丸(ケロハチ?)さんです。
ショップオリジナルパーツ
このシーズンもノースポイントからいくつかのパーツが販売されています。【スノーモト2WAYバンピーバー】
左の写真は「スノーモト2WAYバンピーバー」という商品です。スノーモトはスノースクートのようにステップに足元を固定するストラップが付いていませんので、それが不安な方には最適のアイテムではないでしょうか。
個人的には、普通に乗っている分にはストラップの必要性は無いように思います。酷く凸凹した雪面ではステップから足を踏み外す?事があるかもしれませんが、(これまた個人的な意見ですが)逆に足が自由になることでバランスを取りやすいというメリットもあると思っています。
実際にバランスを崩しそうになった時に足が自由なおかげでリカバリした経験が何度もあります。
スクートから転向、並行して乗っている人は足下が固定されていないと不安に思う人がいるかもしれませんね。シートブームが邪魔だと言う人も結構いました。まこつはリフト待ちや疲れた時に座って滑るのでシートは必需品です。
このバンピーバーは、足首の固定だけでなく、つま先を固定することも出来ます(左写真)。つま先を固定する意味は、転倒した際にフレームの間に足が突っ込まないようにする為だと思います(右写真)。実際そのような事故が合ったとはまだ耳にしていませんが可能性は無いとは言えません。
このパーツを使用している人は結構見かけます。当たり前ですが、トリックをガンガンやる人は付けてないみたいですね。
【スノーモトアキュレートキットしんご】
これは「スノーモトアキュレートキットしんご」という商品です。"しんご"ってなんだよ(笑)、って思う人がいるかもしれませんが、"しんご"というのは、SAIスノーモトライダーの「金子真吾」さんのことです。共同開発かどうかはわかりませんが、金子真吾さんのアドバイスを受けて完成度を高めたそうです。それで最後に"しんご"と付いた訳ですね。
このパーツを簡単に説明すると、ゴム製の衝撃吸収材です。フレームとボードの間にこのアキュレートキットを装着することにより、雪面の凸凹から受ける衝撃を吸収し、走りに安定感が生まれます。
その他には、ボードのフレックス(しなり)を最大限にひき出すことが出来るので、トリックをする時などにとても効果があります。スライドターン(ドリフト)もしやすくなりますね。カービングターンには向いていないと思われそうですが、径が大きく硬めなのでそこまで影響はないと思います。
このキットを着けると着けないでは、かなり乗り心地が違います。別の乗り物とまではいいませんが、個人的にはおすすめのパーツです。'08シーズンからは、SAI純正のアイソレーター(スペーサー不要)というものが販売されます。(開発はスノーモト販売当初からされていたようです。)
【スノーモト ソールカバー】
これは「スノーモト ソールカバー」という商品です。
その名の通り、スノーモトのソールを保護する為にボードに装着します。素材はウェットスーツ等に使われるネオプレーンです。他にもカモフラ柄があります。
ちなみに'08シーズンにSAIから純正のソールカバーが販売されます。
まこつは車内に子供用の室内マット?(お風呂マットのような素材)みたいなものを敷いてましたがコレの方が確実ですね、欲しいです。
THE METAL WORXの誕生
2006 - 2007シーズンは、スノーモトにとってものすごく大きな変化がありました。このシーズンからCRIGHTONのスノーモトに関するもろもろ(内部事情はよくわかりません)がSAIに移行し、企画・製造・販売をすることになったようです。同時に、SAIからスノーモトの専門ブランドTHE METAL WORXが立ち上がりました。(参考リンク)
このニュースだけを聞くと、海外での売上不振でSAIに売却か?と思ってしまいましたが、海外からも多数注文があって増産体制をとったそうです。ちなみにこのシーズンの国内向け製造・販売台数は1,500台でした。
数字だけを聞くと大したことないように思われるかもしれませんが、スノーバイク業界においては驚くべき数字を叩き出したんじゃないですかね?確かに、前のシーズンよりゲレンデでスノーモトをちらほら見るようになった気がします…前よりもですよ(笑)。
シーズンを重ねるごとに販売台数を増やしているスノーモトは、近いうちにスノースクートに代わって雪上自転車業界を牽引するスノーギアになるかもしれませんね。
初のアルミフレームモデル A28が登場
このシーズンは、もうひとつ大きなニュースがありました。スノーモト販売当初から開発されていて、多くのユーザーが待ち望んでいた「アルミフレーム」を採用したスノーモトが販売されました。その名も「A28」、スノーモトのフラッグシップモデルです(左写真)。アルミフレームを採用したスノーモトは従来のスチールフレームの物よりも2kgほど軽量化されコントロールしやすくなりました。(参考リンク)A28では、ATSというシステムが新たに採用されました。ATSというのは、Adjustable Truck System(アジャスタブル・トラック・システム)の略。トラックと呼ばれるパーツでボードの固定位置を調整することで、ボードの特性を最大限にひき出すシステムです。
「取り付け幅を狭くし、よりしならせることでフロントを上げやすく、またターンもしやすくなります。逆に取り付け幅を広くすることで余計な吸収を抑えるため、直進滑走性が向上します。GRCボードも使用可能になるため、ソフトでスローな乗り味も楽しめます。」(公式サイトより/スノーモト・A28の魅力)
また、トラックを取り付ける本体部分と、フロントのフォークプレートに開けられている調節用の穴の位置を変更して全長の調整もできるため、多様なセッティングが可能です。
S28・S28COMP・S24
従来のスチールフレームのモデルについては大きな変更はありませんでしたが、このシーズンから名称が変更になりました。28STは「S28」に、24STは「S24」となりました。S28にウッドコアボードを装着したのが「S28COMP」(左写真)です。大きな変更はなかったと言いましたが、シートブームが可動式になりました。(2004-2005シーズンのところでも書きましたが、従来のシート部分を引っかけてリフトに乗車する方法を危険とするスキー場や、シートブームが引っかかってフード付きリフトのフードが降りない為に、スノーモトのリフト乗車を禁止しているゲレンデがありました。これらの問題はシートブームを折り畳んでリフト乗車することで解決できました。)
新ロゴマーク
↑に少し書きましたが、このシーズンは新モデルであるA28の登場により、下位モデルもネーミングやロゴマーク、ボードデザインなども一新されました。フレームやボードに描かれていたCRIGHTONのロゴは「THE METAL WORX」のものに置き換わり、カラーバリエーションも増えました。A28はオレンジ・ブラック・レッド・ガンメタ、S28COMPはブラックとレッド、S28はブラック・ホワイト・イエロー・レッド、S24はホワイトのみ。
設計コンセプト
基本的にスノーモトのデザインはシンプルです、余計な模様などが入っていません。ボードも表は無地です。これからもこのスタンスは変わらないのかな?余計なものが無いと、ステッカーなどを貼って自分好みのスノーモトにアレンジしやすいですが、ステッカー貼るのって難しいですよね?まこつもステッカーチューンを試みましたが、これイケてないんじゃないかと思って(ビビって)今でも無地のままです(笑)。ちなみに、これらのデザインやスノーモトの設計は、スノーモトライダーである塚本さんが手がけているそうです。天は二物も三物も与えてくれるんですね、初めて聞いた時は驚きました。
オフィシャルイベント
このシーズンもスノーモトオーナーズミーティングが開催されました。場所は前回と同じスノーモトの聖地「栂池高原スキー場」。2回目となりましたが前回を上回る内容で楽しかったですね。第1回目のミーティングの記事ををネット上で見つけることは出来ませんでしたが、第2回の事を書いている人は結構多かったです。(第2回の告知ページ|" レーシングスタッフ"さんの記事|"ビューエルな日々"さんの記事|まこつの記事)インターネットでのスノーモト事情
2006年11月2日にmixiで「スノーモト愛好家 東日本」というコミュニティが立ち上がりました。mixiで3つ目のスノーモトコミュニティですね。mixiの中では一番活発かもしれません。他にはスノーモトオーナーどうしでプチミーティングが開かれたりして、本当に盛り上がったシーズンだったと思います。
ショップオリジナルパーツ
このシーズンもノースポイントからパーツが販売されています。【スノーモト24用ウッドコアボード】
左の写真は「スノーモト24用ウッドコアボード」という商品です。24STやS24のリアボードは他のモデルと共通ですが、フロントボードは他のモデルより短くなっています。
もともと24シリーズのボードはGRCボードしかなかったので、ウッドコアボードを付けて滑ることは物理的に不可能でした。24シリーズでもウッドコアボードで滑りたいというユーザーの声を受けて(かどうかはわかりませんが)作られたのが、この「スノーモト24用ウッドコアボード」です。CRIGHTONのウッドコアボードを加工(カット)して24シリーズでも装着出来るようになっています。購入した人も多いパーツではないでしょうか。
GRCボードを採用したスノーモトは、'08モデルではS24だけです。GRCボード自体は廃止の方向に向かっているような気がします。ということはS24自体もラインナップから消える可能性もありますが、'09モデルでもS24が残ると考えるとウッドコアボードが採用される可能性もある気がします。まぁ、2年先の話でまこつの妄想ですけどね(笑)。
少々お待ちを