スノーモトFAN ビギナーのためのスノーモト情報共有サイト

スノーモトで怪我をしない乗り方を体得するにはどうすればいいのか考えてみた

またもやつまんないエントリになります。

ここ数シーズン、ボクの周りでは骨折のような大怪我をする人が多かったので前から考えていたことをまとめてみました。

 

自分はどうだったかなーと思い出してみる

ボクがスノーモトを始めたのは恐らく9シーズン前かな?当時はスノースクートの存在すら知りませんでしたしネットでの情報も少なかった(調べるという発想もなかった?)のでほぼ自力で乗り方や基本的なトリックを覚えました。

ボードはGRCというプラスチックみたいな素材で、ソールの断面は中央が凹んだアーチ状になっていてグランド360すらもハードトリックに感じるようなクオリティでした。

スキルの習得スピードはとてつもなく遅く、転びまくって終わるようなシーズンをしばらく繰り返しました。

 

多くの失敗で会得した他人より高いスキルがある

ボクのように1人で滑り方を模索していると、あるスキルを会得出来ます。それは

 

危険回避能力

 

です。要は転倒に関係するスキルですね。転び方といってもいいかな。

単純にスノーモトの経験を積んだとも言えるのですが、指導を受けられる環境からスタートした人とは内訳が異なります。

 

転倒を繰り返すと対処出来るパターンが増える

ボクはステップアップが遅かったので初級・中級コースでかなりの時間を費やしました。上級コースを滑るようになったのは少なくとも3〜4シーズン経ってからだったと思います。

初中級ゲレンデを長く滑ると、当然ですが初中級ゲレンデで転ぶ回数も多くなります。ですがゲレンデ難易度が低いので転んだ時のダメージはそれ程ありません。ここ凄く大事なところ。

ゲレンデの状態はシーズンはもちろん、1日の内で大きく変化します。滑り方も変わりますし転倒時の状況も様々です。

より多くのシチュエーションで転倒回数を重ねられ、しかもダメージがさほど無い。初中級コースを繰り返し滑ることは危険回避の経験を積むにはうってつけだと思います。

 

そして転ばないようになる

転倒がゼロになることは絶対にありませんが、経験を重ねることで以前なら転んでしまうような場面でもフロントボードの操作、地面を足で蹴る、腰を落とし膝を使うなど様々なテクニックで回避出来るようになります。

特にフロントボードを使っての転倒回避回数は格段に増えると思います。

 

ではどういう状況がまずいのか?

滑走テクニックであれば1度の滑走で大きく経験値が上がることはありますが、転倒に対するスキルはなかなか上がるものではありません。

ボクが初心者を教える機会が増えてきた頃から感じていることがあります。

 

習得スピードが早すぎる

 

滑走技術の習得スピードが早いのはとてもいいことですが、滑走経験値>転倒経験値となりバランスが悪くなってしまうんです。

転倒経験値を積まないまま上級コースを滑るとどうなるか。簡単に想像出来ると思いますが、初中級コースに比べて転倒時のダメージが段違いに上がります。斜度がきつくなり地形の変化が大きく滑走スピードも上がる為ですね。

 

教える側にも問題がある

これは自分への戒めでもあるのですが、指導した人が上手くなるのは指導者冥利に尽きるというか本当に嬉しくてもっともっと教えたくなります。気がつけば1日で中級コースを滑らせてるなんてよくある事だと思います。

その時、1日を振り返って見てください。その人何回転びましたか?ボクの経験上、初心者講習くらいで転ぶ人は本当に少ないです。

あなたの周りにもいませんか?浅いスノーモト歴で上級者コースに入って骨折した人。

 

初心者を適切にステップアップさせ且つ飽きさせないようにするには

これは非常にむずかしことですが、ボクは初級ゲレンデでグランドトリックをやってもらうようにしています。フロントボードのコントロールの為にグランド360、スノーモトとの一体感を高める為にマニュアル&バニーホップなど。

シンプルなトリックも初心者にしてみれば楽しい練習だし、教える側は基本を見直す貴重な機会でもあります。(こういう練習が苦手な人もいますし誰にでも当てはまることではないです。)

グラトリの練習は初心者の内から始めるのは重要だと感じています。特にグランド360は荷重やエッジのコントロールなど様々な要素が詰まっている素晴らしい教材です。これだけは全ての人にスノーモト1日目からやって欲しいですね。(既に出来ている人は必ず反対周りもやってください)

 

怪我をせずに安全に転倒経験値を積むには

前述の上達したと思っても安易に難しいコースへ行かない、行かせないことに加え、安全対策をすること。

ボクはヘルメット、ニーシンガード、ケツパッド、上半身のクッションプロテクターをなるべく装着しています。特にヘルメットはかなり安心感を生みますし実際に怪我から守ってもらった回数も多いです。

 

乗りやす過ぎるスノーモトにしない

これは賛否あると思いますが、快適過ぎる乗り物はミスをする回数も減ってしまうので初心者の内から乗りやすさを追求するカスタマイズはしない方がいいとボクは考えています。理由は上記で述べましたがすぐに上級コースに行けてしまうからです。(ボードのメンテナンスはまた別の話なのでこちらはしっかり滑るようにしておきましょう)

メーカー純正セッティングでも基本的には問題ありませんというか問題が無いように設計されています。ノーマルスノーモトの特性をよく理解してからカスタマイズする方が滑りに反映される効果は何倍もあると思います。

 

滑りの方向性に違いはあれど

アルペンにフリースタイル、嗜好や得意不得意はあると思いますが、危険回避能力に関してはどんなに身に付けてもデメリットは無いと思うので、初心者を指導する機会がある人はこのエントリのことを心の片隅に置いてもらえればと思います。

ただ慎重になり過ぎるとボクみたいに10年近く滑っても7m以上のキッカーを飛べない人間が出来上がります。行く時は覚悟決めてドーンと行きましょう(笑)

 

参考記事

スクートの滑走による怪我の発生要因 : SONO SNOWSCOOT COMPETITION


コメントはまだありません | トラックバック